工場で経験を積めば誰でも板金工になれるの?と聞かれた。確かに、手先が器用できちょうめんなら板金工に向いている。
実際、ひと昔前までは職人の見習いとして工務店や板金専門の工場で働きながら技術を磨くのが一般的で、私もそのひとりだった。
だが、最近では学校で基礎を身に着けてから働くのが主流のようだ。
今日は、板金工になるために学んだほうがいいことや必要な資格などを紹介していこうと思う。
職業訓練校で学ぶ
国や自治体が実施している職業訓練校や職業能力開発センターに設けられているのが、板金や溶接技術を学ぶ学科だ。
板金加工や溶接方法、切断作業などを学べるほか、CAD/CAM操作などの基礎知識を学べる。
板金というよりも、製造業に必要な基礎知識や技能を身につけられるため、ものづくりの総合的なスキルが身につくだろう。
求職者であれば、失業中の人のみならず、キャリアアップで転職したい在職中の人も入学できる。
ただし、対象者別で訓練期間や受講料が異なるので、事前にチェックしておくようにしよう。
高等技術専門学校で学ぶ
高等技術専門学校とは、都道府県が運営している公共職業開発施設だ。この中にも板金工を養成するためのコースがある。通う期間は大体1年や2年だが、6ヶ月で訓練できる場合もあるようだ。
新規中卒者、新規高卒者、離転職者などが入学の対象で、中には高校卒業見込み以上で30歳までなど、条件や年齢制限が設けられているところもある。
新規中卒・高卒でない場合は、希望するコースに一定の条件が設けられているかをチェックしよう。
職業訓練校との違いは入学金と授業料だ。専門学校よりも安めではあるが、コースによって年間の授業料が設定されている。学校によっては授業料を分割して払えるところもあるので、通学を検討している際は確認しておこう。
板金工に必要な資格
板金工になるために、とくに必要な資格はない。
先輩職人の技術を見て学ぶところが大きいが、「一人前になるには10年かかる」と言われることもあり、資格よりも経験が技術力問われる世界だ。
ただ、持っていると能力を証明できたり優遇されたりする資格はある。それが「建築板金技能士」や「工場板金技能士」だ。
とは言え、これらの資格を取得するにも実務経験などの受験資格を満たす必要があるので、資格を取ってから職を探すのではなく、働きながらキャリアアップとして受験して取得するイメージになる。
今の勤務先で昇給したい、板金工として他企業へ転職したい際に役立つだろう。