「板金工になるには」のページでも紹介した通り、板金工には絶対に必要な資格というのは存在しない。ただ、持っていると自分の能力や技術力を示す証になる資格はある。
今回は、板金工に役立つ資格について、概要や受験資格、受験方法について紹介していきたい。
手に職をつけたい、板金工に関する資格を取りたい人は、ぜひ参考にしてもらえると嬉しい。
建築板金技能士
住宅など建物に関わる板金工事の技能を認定するのが建築板金技能士。建築板金技能士の資格がなくても板金工事をすることができるが、持っていると技能士を名乗ることができる。国家資格なので難易度は高めで、学科と実技を身につける必要がある。
実技試験は内外装板金作業、ダクト板金作業に分かれており、内外装板金作業は1~3級まで、ダクト板金は1級、2級がある。
受験資格によって取得できる級が決まっている。1級は7年以上の実務経験か2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験が必要で、2級は実務経験2年以上、または3級合格者しか受験できない。3級は実務経験不問なので、資格を先に取得したい人は3級からトライするしかない。
工場板金技能士
手作業や加工機械による板金加工の技能を認定するのが工場板金技能士だ。これも建築板金技能士同様、国家資格で、持っていると工場板金技能士を名乗れるようになる。
試験は学科と実技に分かれており、特級から3級まである。特級は板金加工現場で部下を管理・監督する立場に向けたもので、1、2級は現場で実際に加工する人、3級はこれから板金加工をはじめる実務経験のない人向けだ。
受験方法
建築板金技能士、工場板金技能士のどちらも各都道府県の職業能力開発協会で受験できる。都道府県によって申し込み方法や受験料、試験会場が異なるため、受験する場合は住んでいる都道府県の情報を確認しよう。
また、学科試験で過去に出題された問題は、職業能力開発協会の公式サイトに掲載されている。学科は過去問を解いて練習すると良いだろう。実技試験でどんな内容をテストするのかも掲載されているので、あわせて確認して技能を練習しよう。
建築板金技能士、工場板金技能士のどちらも、上級の資格は実務経験が必要なため取得難易度は高めと言えるが、そのぶん、持っていれば仕事に活かせるだけでなく、技術を持っている証となる。
製造業や建築業で板金工として働くなら、キャリアアップを目標にチャレンジするのもおすすめだ。