板金加工は、普段日常生活で使う多くのものに施されている。そのため、板金加工が上達すれば身のまわりのものをDIYで修理したり補修したりできるようにもなるだろう。
そこで、ここでは、日常で見られる板金加工の製品を紹介していく。
中には家庭用でない製品もあるが、街なかで見かけたらどの部分に板金が施されているか、ぜひ板金工の目でチェックしてみてほしい。
PCの筐体
PCの内臓部分を収める筐体には薄い金属板が使用されるので、板金加工が使われている。
板金機械で製造されるのが一般的で職人が手作業で行うことはほとんどないが、板金加工を身近に見られるもののひとつだ。
スチール家具
素材にスチールが使われる机やラック、ロッカーなどの収納用具は、ほとんどが板金を使った製品だ。へこみや傷が気になる場合にDIYで板金すれば新品のような状態に近づけるし、初心者の練習にもなるだろう。
キッチンのシンク、厨房機器
キッチンや厨房周りの製品はサビに強いステンレス素材のものが多く、ステンレスに板金加工が施されている。特に、業務用冷蔵庫や冷凍庫などの箱状の製品を加工する際に板金加工が適している。
自動販売機
街でよく見かける自動販売機も、薄い金属板を板金加工して箱型にした代表的な製品例だ。
よく見ると溶接の上から塗装が施されているものもあり、加工されたところを確認できるだろう。
手板金が使われる製品とは
大量生産する多くの製品が、機械板金を使って作られている。一方で、職人が一つずつ工具を用いて仕上げるのが手板金だ。細かな作業が必要な製品や複雑な形状の部品を作る際には、今でも手板金が行われている。
また、専用の金型を作ると製造コストが割に合わない、小ロット生産の製品も手板金が主流だ。
このように、製造業においても板金の技術や知識が活かせる場面が多くある。
建築や自動車などに限らず、板金工はさまざまな業界で活躍できる可能性を秘めているのだ。
板金工はさまざまな業界で活躍できる
自動車修理に代表されるように、手板金は新しい製品を作るだけでなく、表面の修復作業が必要なケースでニーズが高い。
物価高でリユース製品やリサイクル製品が再注目される今、金属板が使われる製品を修復できる職人スキルは、これからも幅広い業界で求められ続けるだろう。
板金工になってみたい、板金工を目指したいと考えている人は、自分が興味のある分野や業種のどの場面で必要とされるか、特にどんなスキルが求められるかを知って、腕を磨いていってほしい。