住宅を長持ちさせるのに大切なのが、雨漏りを防ぐための屋根工事や修理だ。
屋根材の種類には瓦やセメント、バルバリウム鋼板などさまざまだが、実は金属ではない屋根にも部材には鋼板が使われていて、板金工事が活躍する。
今日は、屋根のどの部分に金属が使われているのか、どんな板金修理が必要になるかを説明していこう。
屋根に使われる板金の種類
棟(むね)板金
セメントと繊維質を混ぜ合わせて薄い板にした「スレート」と呼ばれる屋根材では、三角屋根の上部分に棟板金という金属板が使われている。棟板金を屋根の尖った部分にかぶせると、雨水が侵入するのを防ぐことができる。
雨押え(あめおさえ)板金
外壁とひさし屋根の結合部分に取り付けられる部材が雨押え板金だ。経年劣化で接合部から雨水が侵入することがあるので、板金でしっかりと覆わなくてはならない。
谷樋(たにとい)板金
谷樋とは、複数の屋根の傾斜面の接点が谷のようになっている部分で、ここに雨水が集まり流れるようになっている。そのため、谷樋板金は複数の屋根がくっついているような構造の家に多い。屋根に当たった雨水が一カ所に集まるため腐食しやすく、溝の部分に谷樋板金が使われる。
ちなみに、谷樋はこれまでV型が主流だったが、ゲリラ豪雨の増加によって半円型やコの字型など、流れてくる雨水をよりコントロールしやすい形のものが増えてきている。
水切り板金
両側にふきおろす三角形の形をした「切妻屋根」の屋根の端っこはケラバと呼ばれている。このケラバには雨どいがついていないので、屋根に雨水がしみないよう、水切り板金が必要だ。
水切り板金の金具には、ガルバリウム鋼板などサビに強い金属が使用される。
水切り板金を行うと、外壁を伝う雨水の量が減るので建物の劣化も防げるし、屋根と外壁のすき間から水が浸入するのを防ぐこともできる。
屋根板金の交換方法
屋根板金の交換修理では、はじめに古くなった板金を外して、下地の貫板が腐食していないかをチェックする。劣化がそれほどひどくない場合は、釘穴を埋めるコーキング処理をして防水・防腐処理をすればOKだが、腐食がひどい場合は板金の交換が必要だ。
大がかりな作業となると足場を組まなくてはならないので、費用が高くなりがち。そのため、外壁塗装などで足場を組むタイミングで、一緒に板金工事を依頼されることが多い。
瓦屋根よりも耐久性の高いガルバリウム鋼板の屋根が登場してからは、瓦から金属屋根に葺き替えたり重ね葺きしたりする人も増えてきている。