従来の屋根材よりも耐久性が高く、長持ちする屋根材として人気が高いガルバリウム鋼板。
商用生産がはじまったのが1982年で、登場からすでに40年以上は経過している素材だが、実際にどんなものかを知らない人も多いだろう。
今日は、このガルバリウム鋼板について、特徴や強度、耐久性について紹介していきたい。
ガルバリウム鋼板とは
ガルバリウム鋼板はその名の通り、ガルバリウムという合金で鍍金された鉄のことを指している。正式名称は「55%アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」で、電気や鉄の力を使って金属の膜(メッキ)で層を形成したものだ。
ガルバリウム鋼板は、合金がメッキ層となり鉄を保護している状態、つまり、ガルバリウム鋼板の最も中心の部分は鉄だ。
現在、市場に出回っている多くのガルバリウム鋼板が、鋼板の裏側に断熱材を貼り付けた断熱材一体型の製品。断熱性に加えて遮音性も高くなっており、登場当初の問題点が大きく改善されている。
ガルバリウム鋼板の耐久性
ガルバリウム鋼板の耐用年数は、25~35年とされている。瓦の耐用年数が60年なので瓦には及ばないが、スレートの屋根材よりも高い耐用年数を持っている。
穴さえなければ錆びないので、40年以上使えるケースもあるだろう。
ただし、長く使い続けるにはサビを防ぐことが重要だ。瓦やスレート同様、定期的なメンテナンスは必要となる。
ガルバリウム鋼板のメリット
ガルバリウム鋼板の一番の魅力はコスパの高さ。
耐震性や耐久性、価格をトータルで比べると、最もバランスが取れた屋根材・外壁材なのだ。
さらに、断熱性や遮音性に優れた住宅を建てたい場合、断熱材一体型の製品を使えばこれらの効果も期待できる。
ガルバリウム鋼板のデメリット
耐久性が高いとは言え、ガルバリウム鋼板が最も丈夫で劣化しないわけではない。
沿岸部や森林近くなど、湿度の高いところでガルバリウム鋼板を用いると、サビが発生するリスクが高い。
また、割れには強いが凹みやすい性質を持っているので、衝撃が多い場所には適していないのだ。
さらに、取り扱えるのは我々のような専門的な板金技術を備えた板金工のみ。
誰もが気軽に施工できるわけではないので、その点には注意が必要だ。
だが、逆に言うと、ガルバリウム鋼板が求められるところでは、板金工も必要だということ。
建築板金工は屋根材や外壁材として扱う場面も多いので、加工技術をしっかりと学んでおきたいところだ。